バイオガス生産で家畜のふん尿を
資源化

家畜の排泄物からバイオガスを生産し、
肥料も得られる取り組みが、
北海道鹿追町で行われているとのこと。

バイオガスによる発電実績

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北海道鹿追町では2006年に、道営事業としてバイオガスプラントを建設。
※総工費は約8億3500万円、コーンズ・エージー社などが建設に参加。

このプラントは2006年12月から試験運転を開始し、その後鹿追町に移管され、2007年10月から本格的に稼働を開始したそうです。

バイオガスプラントの運営は、プラントのある「環境保全センター」周辺の酪農家14戸と鹿追町による、組合方式で行われているとのことです。

プラントでは、組合員酪農家の各戸に備えた専用コンテナにより、毎日約60トンの乳牛の排泄物(糞尿)を集め、嫌気性のメタン発酵によりバイオガスを発生。
(施設の想定処理能力は約90〜95トン/日)
これで得られたバイオガスを燃焼させて、発電を行っているとのことです。

発電能力は、1日に最大4000kWh(国内最大級、一般家庭460戸分にあたる)にのぼり、施設で使用する電力全てを賄っているそうです。
さらに、余った電力を売電し、施設運営費の一部としているとのことです。

2007年度の売電収入は350万円で、収支目標を達成できたとのこと。
(施設運営費は2500万円。)

ちなみに、冬期間も特に問題なく発電ができたそうです。


(参考)
・北海道新聞連載記事「生かせバイオガス 鹿追の挑戦」
 上(2008年7月16日朝刊30面)
 中(2008年7月17日朝刊32面)
 下(2008年7月18日朝刊34面)
・鹿追町バイオマスタウン構想(※PDFファイル)
 http://www.biomass-hq.jp/biomasstown/pdf12/shikaoi.pdf
・コーンズ・エージー 集中型プラント[導入実例]
 http://www.cornesag.com/jp/biogas/example.html
・バイオガス・堆肥化プラント(鹿追・中鹿追地区)
 http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ns/nss/2_kannri/sikaoe_image.htm
・12日鹿追のバイオガス発電*ビデオで世界にPR*NEDO作製*会場で紹介へ|環境関連ニュース
 http://www.eco2008.jp/news/newscontents/?id=268
・十勝毎日新聞社[エコ発信 十勝から〜洞爺湖サミットまで1ヵ月]
 http://www.tokachi.co.jp/kachi/jour/08ecotokachi/20080605/04.htm


バイオガス生産の副産物の肥料

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北海道・鹿追町のバイオガスプラントでは、家畜の排泄物から生産したバイオガスを用いて発電を行っています。

しかしそれだけではなく、さらにバイオガスを取り出した後に残った消化液が、優れた液肥になるとのことです。

プラント利用組合員の酪農家の牧草地では、2007年夏から、それまで使ってきた堆肥の代わりに、バイオガスプラントで残った消化液を散布しているそうです。
(肥料に使う消化液は、病原菌や雑草の種子を死滅させるため、プラントのボイラーで70℃・1時間の殺菌処理を実施済み[1]。)

この消化液には、肥料の3要素(窒素・リン酸・カリ)が豊富に含まれており、その上で悪臭の元になる物質(アンモニア等)が殆ど取り除かれた状態になっているとのこと。
(鹿追町などが行った実地検証では、牧草の生育に対して、堆肥よりも高い効果が得られたそうです。)

鹿追町では、夏の観光シーズンと牧草地への施肥が重なることから、観光客から臭いに対する苦情がありましたが、堆肥からバイオガス生産後の消化液使用に替えてからは、それらの苦情が無くなったそうです。

また臭いの面だけでなく、最近は肥料価格が大幅に高騰していることから、プラント利用組合員以外の農家からも、消化液の需要が高まっているとのことです。

鹿追町には、このバイオガスプラントの処理能力の10倍以上の乳牛(18000頭)が飼育されていることから、資源は十分にあり、プラント利用組合員以外の農家からも、新しいプラントの設置が希望されているそうです。
(現在稼働しているバイオガスプラントの処理能力は、最大で成牛約1300頭分とのこと。)

鹿追町においてバイオガスプラントは、

・家畜の糞尿の適切な処理(周辺の環境問題への対策)
・エネルギーの確保
・有効な肥料の確保

といった、複数の役割を担いつつあるようです。


(参考)
・北海道新聞連載記事「生かせバイオガス 鹿追の挑戦」
 上(2008年7月16日朝刊30面)
 中(2008年7月17日朝刊32面)
 下(2008年7月18日朝刊34面)
・鹿追町バイオマスタウン構想(※PDFファイル)
 http://www.biomass-hq.jp/biomasstown/pdf12/shikaoi.pdf
・コーンズ・エージー 集中型プラント[導入実例]
 http://www.cornesag.com/jp/biogas/example.html
・[1]バイオガス・堆肥化プラント(鹿追・中鹿追地区)
 http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ns/nss/2_kannri/sikaoe_image.htm
・12日鹿追のバイオガス発電*ビデオで世界にPR*NEDO作製*会場で紹介へ|環境関連ニュース
 http://www.eco2008.jp/news/newscontents/?id=268
・十勝毎日新聞社[エコ発信 十勝から〜洞爺湖サミットまで1ヵ月]
 http://www.tokachi.co.jp/kachi/jour/08ecotokachi/20080605/04.htm


バイオガス利用の展望

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バイオガスの燃焼により発生するCO2(二酸化炭素)は、牛の餌である牧草などの植物が光合成で吸収したものが由来であることから、バイオガス発電は「カーボンニュートラル」(大気中のCO2総量を変えない)とみなされるとのこと。

北海道・鹿追町で稼働しているバイオガスプラントは、CO2の削減効果が2800トン/年と試算されていることから、同町ではCO2排出権販売のための証券化を図るそうです。

また、日本では売電などにおいて、クリーン電力に対する優遇措置が無いことから、バイオガスを発電用の他に、燃料として直接利用することを検討しているとのことです。
(具体的には、糞尿の運搬車、温室栽培、温水プール等。)

鹿追町では更に将来的には、各家庭で使用する電気や燃料を、バイオガスでまかなうことも、視野に入れているようです。
(鹿追町には、現在のバイオガスプラントの処理能力の、10倍以上の乳牛(18000頭)が飼育されている。)

ただし、バイオガスプラントの建設には、200〜300頭規模の酪農家で5000万〜1億円の建設費が必要[1]であり、設置コストの高さが課題の一つであるとみられています。


(参考)
・北海道新聞連載記事「生かせバイオガス 鹿追の挑戦」
 上(2008年7月16日朝刊30面)
 中(2008年7月17日朝刊32面)
 下(2008年7月18日朝刊34面)
・鹿追町バイオマスタウン構想(※PDFファイル)
 http://www.biomass-hq.jp/biomasstown/pdf12/shikaoi.pdf
・コーンズ・エージー 集中型プラント[導入実例]
 http://www.cornesag.com/jp/biogas/example.html
・バイオガス・堆肥化プラント(鹿追・中鹿追地区)
 http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ns/nss/2_kannri/sikaoe_image.htm
・12日鹿追のバイオガス発電*ビデオで世界にPR*NEDO作製*会場で紹介へ|環境関連ニュース
 http://www.eco2008.jp/news/newscontents/?id=268
・[1]十勝毎日新聞社[エコ発信 十勝から〜洞爺湖サミットまで1ヵ月]
 http://www.tokachi.co.jp/kachi/jour/08ecotokachi/20080605/04.htm


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