縄文時代の天然アスファルトに貝殻の跡

貝殻の跡がついた、縄文時代の天然アスファルトの塊が、北海道函館の遺跡で見つかったとのこと。

天然アスファルトと貝殻の跡

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北海道函館市南茅部地区の「豊崎B遺跡」から、日本国内では初めて、アワビの貝殻と思われる跡がついた天然アスファルトの塊が、出土したとのこと。

これは、同遺跡で発掘調査を行っている「NPO法人函館市埋蔵文化財事業団」が6月25日に発表したもので、6月3日に竪穴住居跡で発見されたそうです。

アスファルト塊の大きさは、長さ13.7cm・幅9.8p・厚さ5.2p(いずれも最大値)、重さ約366g。

その片面には、アワビに良く似た貝殻の跡が刻まれており、また反対の面には、動物の皮のようなシワ状の跡がついていたとのことです。

「NPO法人函館市埋蔵文化財事業団」の佐藤一夫理事長は、縄文時代の交易において、貝殻にアスファルトを詰め、シカ等の皮製の袋に入れて運ばれたのではないか、とみているそうです。


(参考)
・北海道新聞2008年6月26日朝刊1面
・貝殻跡付いたアスファルト塊 国内で初めて出土 函館・南茅部の縄文遺跡(文化・芸能 北海道新聞)
 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/culture/101075.html
・天然アスファルト塊に貝の跡 詰めて保存、持ち運びか | エキサイトニュース
 http://www.excite.co.jp/News/society/20080625202916/Kyodo_OT_CO2008062501000900.html
・2008年度 受託調査 『調査進行中』〜現場からの最新ニュース〜(函館市埋蔵文化財事業団サイト内)
 http://www.npo-hako-maibun.jp/08cyousa.html


天然アスファルトとは

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天然アスファルトは、原油の揮発性成分が蒸発して、残った不揮発性成分が固体状になったもの。

原油が産出される場所の周辺に産地がみられるそうで、日本国内では、本州の日本海側(秋田県や山形県、新潟県等)に産地があるとのことです。

この天然アスファルトは、主に接着剤として紀元前から世界中で利用されており、例えば旧約聖書の「創世記」によると、「バベルの塔」の建設に用いられたとのこと。
日本では、石器や土器などの接着や補修、漆器の下塗りで使われていたそうです。

北海道には、本州やサハリンからの交易で持ち込まれたことが判明しているとのこと。

ただし、天然アスファルトは空気にさらされた状態では保存が効かないため、今回函館で出土した例では、貝殻に詰め、かつ動物の皮でくるんで運搬された、と考えられています。


(参考)
・北海道新聞2008年6月26日朝刊1面
・アスファルト - Wikipedia
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%83%88


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